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精子凍結を実施しています

精子凍結を実施しています

当院では、体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)を行う治療周期において、事前の精子凍結を実施しています。

ご主人のお仕事の都合などで採卵当日に精子が準備できない、あるいは量や質が十分でないといった事態は、決して珍しいことではなく、不妊治療においては多々あることです。そのような状況が起これば、大切な採卵周期が延期や中止になる可能性もあります。

私たちは、そうした不測の事態によって治療が止まってしまうことを避けたいと考えており、精子凍結を行っています。あらかじめ凍結精子を確保しておくことで、安心して採卵に臨める体制を整えています。

なぜ当院は、ここまで徹底しているのか。そこには、生殖補助医療に対する私たちの考え方があります。

なぜ当院は精子凍結を行うのか

多くの不妊クリニックでは、採卵当日にパートナーが来院もしくは自宅で採精した精子を使用する方法が一般的です。

しかし、採精は体調や精神状態の影響を受けやすく、当日の緊張やプレッシャーによってうまくいかないこともあります。また、仕事の都合や突発的な事情で提出が難しくなるケースもあります。

さらに、同じ方であっても、採取される精子の量や運動率は日によって変動します。前回は精子の成績がよかったのに、今回は思うような数値にならなかったということは珍しくありません。このような状態で良好な精子を採取できない可能性は常に存在します。

当院では、こうした「起こりうるリスク」を前提に考え、万全の準備を標準としています。精子凍結を行うのは特別な対応ではなく、私たちにとっては基本です。

採卵当日に精子が用意できないリスクとは

採卵当日は、女性側にとって排卵誘発から通院・採卵処置まで、時間と身体的負担をかけて迎える非常に重要な一日です。しかし、その日に必ずしも最適な精子が準備できるとは限りません。

実際には、次のようなリスクが考えられます。

採卵日は「失敗できない日」という心理的負担が大きく、普段は問題なく採精できる方でも、当日にうまくいかないケースがあります。

精子の状態は日々変動します。睡眠不足や過度な飲酒、発熱や体調不良、強いストレスなどの影響により、当日の精液所見が想定より低下することがあります。

一方で、これらの要因が明らかでない場合でも、精液所見には日によって変動がみられることがあります。

採卵日が直前まで確定しないこともあり、最適な禁欲期間を保つことが難しい場合があります。これにより、精子の質や量に影響が出る可能性があります。

排卵や採卵のタイミングは医学的に決まりますが、パートナーの仕事の都合が必ずしもそれに合わせられるとは限りません。

大雪や台風、交通機関の乱れなど、予期せぬ外的要因によって来院が困難になるケースもあります。

精子濃度や運動率が想定より低い場合、受精方法の変更や治療中止を検討せざるを得ないこともあります。

これらのリスクは決して特殊なものではなく、どのご夫婦にも起こり得る現実的な問題です。もし採卵当日に精子が準備できなければ、採卵した卵子を凍結したり採卵周期を中止するといった判断が必要になることもあります。

それは、女性側の努力や身体的負担を伴った大切な1周期に大きな影響を及ぼします。

当院では、こうした「起こりうるリスク」を前提に考えています。だからこそ、治療周期で事前に精子凍結を行い、治療機会を守る体制を整えています。

凍結精子を確保しておくことのメリット

① 治療の延期・中断を防ぐ

採卵は、女性にとって身体的・精神的な負担を伴う治療です。排卵誘発から通院、採卵処置まで、多くの準備を経て迎える大切な日です。

その周期を、精子の問題で無駄にしてしまうことは避けたい。凍結精子を事前に確保しておくことで、治療の延期や中断を防ぎ、1回の採卵周期を大切にする体制を整えています。

② 治療日程の調整がしやすい

排卵や採卵のタイミングは、医学的に決まります。一方で、パートナーの仕事や予定は必ずしもその日に合わせられるとは限りません。

あらかじめ精子を凍結しておけば、採卵日に必ず来院できなくても治療を進めることができます。スケジュールの柔軟性が高まり、ご夫婦双方の負担軽減にもつながります。

③ 良好な状態の精子を確保できる

精子は、体調や生活状況によって状態が変化します。事前凍結であれば、体調の良い日に採取することができ、禁欲期間の調整も可能です。

必要に応じて複数回採取し、より良好な状態の精子を保存しておくこともできます。これは、受精率や胚の発育の安定化につながる可能性のある、重要なポイントです。

体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)における精子の質の重要性

体外受精や顕微授精では、精子の状態が受精率に影響を与えることがあります。また、受精後の胚の発育にも関与する可能性が指摘されています。

特に顕微授精(ICSI)では、1つの精子を直接卵子に注入するため、1つひとつの精子の質が非常に重要です。

良好な状態の精子をあらかじめ確保しておくことは、受精や胚発育の安定化を図るうえで大きな意味を持ちます。それは結果として、1回の採卵周期をより価値のあるものにすることにつながります。

私たちが守りたいのは治療機会です

採卵は決して簡単な治療ではありません。身体的な負担だけでなく、時間や気持ちの面でも大きな準備が必要です。

ご夫婦にとって1周期は、かけがえのない大切な時間です。

私たちは、その治療機会を無駄にしないための準備を徹底しています。精子凍結を実施することは、患者さまの努力と希望を守るための取り組みです。

安心して治療に臨んでいただける環境を整えること。それが私たちの使命だと考えています。気になることやご不安なことがありましたら、いつでもスタッフにお声がけください。

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