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反復不成功でも妊娠を目指せる各種対策

反復不成功でも妊娠を目指せる各種対策

数回の胚移植で結果が出なくても、そこで終わりではありません。体外受精において、良好な胚を移植しても妊娠に至らないことは決して珍しいことではありません。

しかし、複数回の移植で結果が出ない場合、多くの方が「もう方法がないのではないか」と不安を抱かれます。

しかし、私たちは、そのようには考えません。

反復不成功には必ず背景があります。その背景を多角的に分析し、その方に合った対策を講じることで、妊娠の可能性を高めることができると考えています。

当院では、画一的な治療ではなく、個別化医療の視点から着床環境を見直していきます。

なぜ、良好胚でも着床しないことがあるのでしょうか

着床は「胚」と「子宮内膜」の双方が整って初めて成立します。反復不成功の背景には、さまざまな要因が考えられます。

反復不成功例で重要なのは、「原因不明」で終わらせないことです。可能性を分類し、段階的に検討していくことが大切です。

当院が行う着床改善アプローチ

当院では、反復不成功の方に対して、状態に応じた検査・治療を組み合わせながら改善を目指します。

1.子宮鏡下子宮腔内洗浄

原因不明の反復不成功に対して、第一選択肢の一つとなる方法です。

子宮内に、検査では特定できない「着床を妨げる因子」が存在している可能性が指摘されています。そこで、細いカメラ(子宮鏡)を挿入し、子宮内を直接観察しながら洗浄を行います。

反復不成功の方の約1〜2割に有効とされ、さらに一度処置を行うと効果が数周期持続することが報告されています。

※処置後に少量の出血がみられることがあります。

2.子宮内膜スクラッチング

子宮内膜の着床部位を軽くこすり、小さな刺激を与える方法です。

内膜は傷が修復される過程でサイトカインなどの因子が分泌され、着床に適した環境が整う可能性があると考えられています。

当院では、子宮鏡下洗浄と同時に行うことが多く、内膜環境をより整える目的で実施します。適切なタイミングで行うことが重要であり、周期設計を慎重に行っています。

※処置後に少量の出血がみられることがあります。

3.SEET法(受精卵由来因子注入法)

着床は、胚と子宮内膜が相互にシグナルを出し合うことで成立すると考えられています。

胚を培養する過程で、培養液の中には着床に関与するとされるサイトカインなどの物質が含まれます。SEET法では、その培養液を凍結保存し、胚移植の数日前に子宮内へ注入します。

これにより、胚と内膜の「コミュニケーション」を事前に促し、着床しやすい環境を整えることを目指します。高度な培養管理が必要な方法であり、反復不成功例で検討されます。

※処置後にごくまれに少量の出血がみられることがあります。

4.慢性子宮内膜炎の検査・治療

慢性子宮内膜炎は、自覚症状がほとんどないまま持続する子宮内膜の炎症です。近年、着床不全との関連が注目されています。

子宮内膜の組織を少量採取し、CD138免疫染色によって診断します。炎症が確認された場合は、抗生剤による治療を行い、その後再評価を行います。反復不成功例では一定の頻度で認められるため、見逃さないことが重要です。

※検査後に生理痛のような軽度の痛みや少量の出血がみられることがあります。

5.ERA検査(着床の窓の個別化)

子宮内膜が胚を受け入れられる時期、いわゆる「着床の窓」は個人差があります。標準的な移植日程が、その方の着床の窓とずれている場合、良好胚でも着床しないことがあります。

ERA検査では、子宮内膜の組織を採取し、約200種類のRNA発現を次世代シークエンサー(NGS)で解析します。これにより、その方にとって最適な移植タイミングを特定し、個別化胚移植を行います。

「タイミングのずれ」が疑われる症例で有効な検査です。

※検査後に軽度の痛みや少量の出血がみられることがあります。

当院の反復不成功例への考え方

大切なのは、すべての検査や治療を同時に行うことではありません。

当院では、症例ごとに原因を整理して必要な検査を選び、科学的根拠と臨床経験の両面から判断することを重視しています。

「何でも追加する」のではなく、「必要な治療や検査を見極める」ことが専門医療だと考えています。

結果が出ないときは着床環境だけでなく、胚側の要因を再検討することも重要です。

   など

うまくいかない周期が続くと、心が折れそうになることもあるでしょう。しかし、検査を含めて医学的にできることはまだあります。原因を探し、環境を整え、治療方針を見直すことで、妊娠に至る方も少なくありません。

一人で抱え込まず、ぜひご相談ください。私たちは、次の方法を一緒に考えてまいります。

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